「未来学の賢人、預言者として、2年ほど前、私は家具と衣料品のウェブ販売は決して実現しないと予言した。 インターネットは、本やCDなど、郵便受けに入るものなら何でも売れるはずだった。けれども、試着しないで服を買う人がいるだろうか? ましてやソファーに一度も座らないで注文する? 新しい製品の実験結果は、患者が副作用で死に至る場合があるという小さな欠点を除いて治療に役立つという試験薬のテストと同じで、インターネットでのショッピングについて理論的には正しかったが、実践的には甚だしく間違っていた。 すっかり忘れていたけれど、まず第一に、価格という面で大きな強みがあること。 それでも、家具をウェブで売るのはどうも受け入れがたかった。 ところが、ロンドンを拠点にするトレンディな(イタリアのオーディブル・ソファーも扱っている)ヨーロッパ家具を取り扱い、標準小売価格よりも40パーセント(中にはそれ以上)の割引をするヨーロッパ・バイ・ネットのような常識を覆す会社が出現し、お金持ちの買い物客も無視しきれない状況になってきた。 巷で言われているように(実は勝手に作ったのだが)、小売店から買っていたら誰も金持ちになれないとはこのことだ。 狡猾なインターネットの買い物客に、このオーディブル・ソファについて講釈を始める前に注意しておくことがある。 ヨーロッパ・バイ・ネットのようなところから安い値段で注文する前に、このずる賢い買い物客は、小売店に行って注文する予定の家具を触ってみたり上で飛び跳ねてみたりするのは、問題だろうか? もちろん、問題なし! そこで、我輩も、フィリップ・スターク(またもや)のオーディブル・ソファーの感触を得るために、ヨーロッパ・バイ・ネットは、ミラノの製造元(カシーナ)まで行っていただきましょうと言ってはくれたが、お高くとまっているロンドンの小売店に行ってみた。 目がくらむようなウェスト・エンドの間接費を補うために、涙が出るような上乗せをしている普通の小売店でぶらぶらできるのに、ミラノに日帰りする必要なんてないでしょう? とにかく、そのオーディブル・ソファー(もしくは、その印象的なドロドロした気取った名前を借りれば、MISS: Music Image Sofa System、多感覚オーディオビジュアル長椅子・ソファーシステム、もしくは、イタリアのメーカーが呼ぶように”Il Divano Audiovisivo Sensuale”)は、高価な張りが施してある、考えられないくらい心地よい木の箱といえる。 長椅子とコーナー・ユニットが特殊な形に配列されているソファーと言えないこともないのだが、セクションが丁度良く切り抜かれており、超低音用スピーカーを含む本格的なサウンドシステムを設置することを可能としている。 ヨーロッパ・バイ・ネットの仮想店舗で取り扱っているのは、この長椅子・寝椅子バージョンだが、それ以外にも様々な外形のものもある。 21世紀のカウチポテト(ソファーに寝転がってごろごろしている人達を指す)には、MISSは、特に2つの優れた利益をもたらしてくれる。 体に良い: ソファーの詰め物の間にねじ込まれているごっつい超低音用スピーカーは、真に迫る音響を楽しむだけでなく、実際にお腹の底にガタゴトと響く。 二つ目は、性差別主義者(私じゃありませんよ)が言うに、WAF(Wife Acceptance Factor: 妻許容要素)があるのだそうだ。 女性に言わせると、狭いアパートで、床中にケーブルを走らせ、大音響を楽しむなんていうのは、許容範囲を超えるらしい。 スピーカーと超低音用スピーカーが内蔵されたソファーなら、独り者にありがちなアクセサリーでありながら、女性にも受けが良い(ホラ、コードがどこにもないじゃない!)。 だからMISS(未婚の女性の敬称がMissなのをもじり)というのかなぁ。